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  • ATELIER HAYATO NAKAZAWA

知床半島スケッチ会 ②

前回の続き。


知床半島では宿泊した宿がたまたま羅臼岳という登山道の入り口にあったため丸一日かけてこの羅臼岳に登りました。

ちなみに宿泊した宿が『地の涯』(ちのはて)という名前の宿で、知床半島が世界遺産に認定される以前にこの宿は建設されたため、日本国内では唯一世界自然遺産内に存在する宿泊施設だそうです。

本当周りは山なので全く商業施設も明かりもありません。



羅臼岳ですが登頂すると山の中では狐や鹿を時折みかけました。ヒグマも生息しているらしく、登山者は常に鈴を鳴らしたり、食べ物を持ち歩かないなどして注意を払って登ります。




そして想像以上に山頂の方は外気が冷たく、この日が知床初雪だったようです。ある地点を超えると急に周りの植物や岩肌の雰囲気が変わりはじめ最後の方は結構本気で命の危険を感じるほど過酷な環境でした。

スケッチなどを行うつもりで行ったのですが、実際登るとあまりにも風が強く、視界も1メートル先しか前が見えないくらい真っ白になっていたため安全を優先し登頂後はすぐに下山しました。

山頂付近はこんな感じです。












頂上の看板は最初真っ白で字がまったく見えませんでした(手で雪を削った)。看板の後ろは落ちたら一生発見されることがなさそうなほどの急勾配でした。地の涯経由の行方不明なんてあんまりなので、とにかくきちんと生きて帰ろうと心がけました。


一番右の山が羅臼岳だそうです。山頂が雪をかぶっていますが、ここを登りました。(翌日撮影)


翌日は近くの岬でヒグマ鑑賞ボートツアーというものがやっており、結構な値段でしたがこういう機会もそうそうないと思い参加してみました。そこに書かれていたのが『ヒグマ遭遇率98パーセント』の文字。期待値と参加率も98パーセント保障されてしまうような文言でした。


午前10時くらいから20人くらいでボートに乗り込み半島の周りを見ていきます。


が、しかし!いつまでたってもヒグマは一向に現れず、ポツポツいるのは鹿ばかりでした!船長も「ヒグマいませんねぇー…あ、鹿がいました、とりあえず鹿見といてくださ〜い」みたいなノリで、ちょっと待てよ、と思ったのですが一向にヒグマは現れる気配がありません。むしろ船長がちょっとクマみたいな人でした。


最終的には風も強く波もかなり荒れていたため(私の後ろにいたおじさんは2時間のツアー中ずっと吐いてました)知床半島の半分程度の位置まで行って折り返し、岬に戻ってくることになりました。そしてとにかく波が体にかかるため乗客はずぶ濡れです。スプラッシュマウンテンの比では無い濡れ具合でした。


98パーセントの遭遇率と言われていましたが、実際はヒグマが河口付近に群れで出没するのは10月初旬くらいまでで(私が訪れたのは10月中旬)、徐々に外気が下がり始めるとヒグマの餌の鮭が川を上りはじめ山の中に入っていくためヒグマも河口付近から姿を消し始めるとのことでした(乗る前に言ってよ)。

結果的にヒグマは現れなかったのですが、なんの変哲も無い平日に朝から北海道でずぶ濡れになりながら半島をボートで眺めるのも中々乙な体験でした。


そして最終日は空港までの道中にある網走監獄博物館に行きました。経由内なので寄ってみる程度のつもりでしたが、実際はものすごく施設が充実していて訪れてみると3時間ほどいても全く飽きることがなく全敷地内を回りきれないほどでした。



ちなみに網走監獄博物館は旧網走監獄を現在は博物館として公開している施設であり、網走刑務所(現在も現役の受刑者を収監している施設)とは異なります。(はじめその違いがわからず間違って刑務所行きを指定したらタクシーの運転手に面会ですか?とか言われた)


現在の北海道がどのような経緯で開拓されたかがよくわかる場所であり、非常に考えさせられる場所でした。そして想像以上に中の景色が綺麗でビビりました。


もはや現代美術な人形も。











特に気に入ったのがこのサイト内の看板。

ちょっと大阪みたいなノリで面白かったです。


敷地すべてが皇室のお庭のように綺麗な場所で、是非網走に寄った際には寄ってみることをお勧めする場所でした。


次回は来年度のイベントや本年度の受講者の方々の作品などをご紹介したいと思います。


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