• ATELIER HAYATO NAKAZAWA

ポンペイ展と花見の話 『前から見ても横から見ても‥』

更新日:5月21日


少し前に東京国立博物館でポンペイ展を観てきました。すでに終わってしまった展覧会ですが、まずチケットが2100円と昨今の美術展のなかではかなり高めでしたがめちゃくちゃ人気でした。

ポンペイとは紀元後79年、イタリアのナポリ近郊のヴェスヴィオ山の大規模な噴火によって埋没したローマ帝国の都市なのですが、発見されたのは19世紀に入ってからであり今なおポンペイの発掘は続いているようです。この展覧会の最後の方にも発掘作業のVTRが写っていましたが、都市は広大で本当に次から次へといろいろな出土品が出ていました。

なおヴェスヴィオ山が噴火してからポンペイが灰で完全に埋まるまでの期間はたったの2週間ほどだったらしいです。


この展覧会は上野の東京国立博物館で行われているのですが、久しぶりに上野駅に行ったら駅が随分変わっていて驚きました。

なんかバルセロナみたいだな‥とか思いました。(バルセロナ行ったことないけど)


そして国立博物館だからかやはり現代美術寄りの展覧会を行う美術館に比べると、訪れる人の平均年齢は高めでした。

ポーラ美術館みたいに未来に希望が溢れたカップルが就活を終えて卒業バカンス的な感じで来ましたというよりも、人生の終活を始めそうな世代の人が多く見られ、なんかこう、ポンペイのこれから灰に帰ります的な感じを連想しました。

メメントモリ『死を思え』とかあるし、西洋圏でははこの時代からずっとこういう思想があったのですね。鑑賞している高齢者もメメントモリを思っていたのかなとか思いながら見てました。

こう、申し訳ないんですが、このおしりを出した状態で後世までずーっといろんな人に見られ続けるっていうのは、美術品といえど中々しんどいですね。

時間制限があるような感じだっり速やかに見てね的なアナウンスがながれていたので、時間を気にしながらそそくさと館内を歩き回りました。

『会話はお控えください』というプラカードを持った人が一番大きなボリュームでそのことをアナウンスするというパラドックス‥

とか思っていたら、

キャァァァーーーッ、なにこの変態!?えぇぇぇ〜〜〜????なにこの男性器と顔!??

めっちゃ変なの出てきました。

ゲームでそんなに強い敵がいないと思ったら急にラスボス並みに強い敵にエンカウントした時のような衝撃でした。


実はこれ解放奴隷の肖像らしいです。当時の奴隷身分だった人が解放奴隷となり、その後商売などで財を築いた(この人は銀行業で成功したらしい)人の肖像として顔と男性器の彫刻が結構あったらしいです。ちょっと解放する箇所の基準が謎なんですけど(笑)


しかも面白いのは右から見ても、

左から見ても、

斜めから見ても、

どこから見ても、男性器と顔!!!右から見ても、左から見ても、前から見ても男性器と顔!!上から読んでも下から読んでも『山本山(やまもとやま)』を思い出しました(笑)


こちらは竪琴奏者の家だそうです。

このシンメトリーな植物の配置は僕の大好きな西山美術館も参考にしたのでしょうか?

(以下、西山美術館写真)

改めて見てもディープで妖艶な雰囲気が漂っています。


最後にこの遺跡の反対側にはまた別の遺跡があるらしく、それらは現在発掘途中だそうです。どんどん新しい当時の遺物が出てくるし新たな古代遺跡として公開される可能性もあるそうです。


その発掘作業がVTRに映し出されていました。

印象的だったのがナレーションの方が最後に『これらの古代遺跡は現代を生きる私たちに必ずしや生きるヒントを与えてくれることになるでしょう』みたいなことを言ってたのですが、本当か?ってことでした。 NHKっぽいナレーションでなんかそれっぽいこと言ってるけど一体どこら辺が生きるヒントになるのか正直まったくわかりませんでした(笑)


人生を半分降りたり、挑戦したり、古代遺跡にヒントをもらったり、生き方の指針が日々めまぐるしいです。


あとこの映像の最後の方で一番いいなって思ったのが、ポンペイの裏の採掘作業をしている作業員が来ているTシャツでした。まだまだ発掘作業は続いているらしく多くの人が真剣な眼差しで働いているのですが‥

みなさんよくみてください、白いシャツを着た人の胸‥

『PLAY ME』って書いてあります!!!


こういう世界的文化遺産を修復したりするときは日本だときっちりした作業服を着たり、どこの文化施設かわかるような装いで参加して、あんまふざけてるとすぐ苦情がきたり上の人からどやされたりするのですが、 『PLAY ME』 って(笑)めちゃくちゃ目を引いたし嬉しくなりました。さすがイタリア。こういう寛容さを取り入れたいです。


今展覧会の一番の収穫はこの人とグッズ売り場脇にあったこのパネルでした。

という感じでだいたい一時間くらい鑑賞していました。こういうポンペイでも阿修羅展みたいな仏像系の展覧会でも難しいのは現地の雰囲気を再現しようとするとどうしても限度があるということです。壁紙をポンペイの市街にしたり、再現空間などを作ったりしてなんとか現地の空気を再現するのですが、どうしても実際のポンペイは空間全てがポンペイそのものでありその周りもずっと地続きでイタリアの国土なのでそういったところが絵画作品を一個ぽんと移動して名画が名画として成り立つのとは異なる難しさなのだと思います。


ちなみに実際のポンペイ市街はこんな感じらしいです。

広っ!!


そしてその後、関係ないのですが、(ここから先は全く絵とか関係ない話です)お花見をしました。


下北沢の駅から20分ほど歩くと小さい小川が流れていて、その途中に小さな公園がありよくここに寄っています。

ここで仕事が終わるとよくお酒を飲むのですが、人生で一番気持ちが休まる時はここで休んでる時だと思います。

で、アサヒビールが出している『生ジョッキ缶』というものをこの日は買いました。

そうしたら缶を開いた瞬間にすごい勢いで生ビールが吹き出して、私の手と服は瞬く間にビールまみれになり、生ビールがヴェスヴィオ山の噴火のごとく吹き出し続けました。

『最悪っっっっっっっっっっっっ!!!!!!』


私は仕事に行く時はいつも制服のような感じでヨウジヤマモト社の黒い服を着ていくのですが、耀司さんの服はビールの泡まみれで真っ白になってしまいました‥。


なすすべもなく一分くらいビールがずーっと溢れ続けていたので、もはややることがないので写真を撮ったりしていました。


なぜか頭の中にはビートルズのAcross the universeという曲が流れてきました。

何かの小説に出てきてフレーズをよく覚えているのですが。


Words are flowing out like endless rain into a paper cup

溢れ出す言葉が止まらない雨のようにふりそそぐ


They slither wildly as they slip away across the universe

その言葉は滑るように通り過ぎて消えていく、宇宙を越えて


Pools of sorrow, waves of joy are drifting through my opened mind

悲しみの水たまり、喜びの波が僕の開かれた心の中を漂って


Possessing and caressing me

僕を虜にし満たしていく


Jai Guru Deva OM

すべての出来事に、僕は感謝している


Nothing's gonna change my world

何も僕の世界を変えることはできない


『Across the universe』


『こうやって僕は宇宙を横切っていく』みたいな感じの意味だと思うのですが、私の中でビールを開けた瞬間横切ったのは、まさに嫌な予感とまだ見ぬ生ビールのビッグバンでした(笑)


本日の経費


ポンペイ展チケット 2100円

アサヒ・生ジョッキ缶 220円

おつまみピーナッツ 150円

買ったばかりの服がビールまみれになった時の悲しみ プライスレス